きらきらビーチ


ケイの孫


ケイ:キジムー元気にしてたかい?

オバー:おぉー ケイじゃないか☆ まだ生きてたんだねw

ケイ:いうじゃないw こっちはアンタよりまだまだ若いんだからねw

オバー:確かにケイは現役の渡り鳥だからねw 今日はどうしたんだい?

ケイ:ちよっとアンタに意見を聞きたくてね

オバー:ワタシでいいのかい?

ケイ:今回ばかりはキジムじゃないとっておもってさ…

オバー:いいよ、それじゃまえにきたときに無かった「きらきらビーチ」にでもいって話すとしますか☆

ケイ:まだ飛べるんだw よろしくね



【きらきらビーチレビュー】

ケイと共にオバーがやってきた「きらきらビーチ」は、平成に入り行政主体で整備が進められた人工ビーチの一つです。

住宅地も近いことから周辺には大型スーパーやショッピングモールもあり、ビーチパーティーの買い出しも現地調達OK。那覇から車で約30分とアクセス性の良さも人気です。

駐車場や更衣室といったアメニティも整備され、天然ビーチに比べ快適にマリンレジャーを楽しむことができ、地域住民の憩いの場として愛されています。



ケイ:ここさ、前に来た時こんなんじゃ無かったよね⁉

オバー:あのころはなーんもなかってもんねw

ケイ:ビーチはあるし、港はあるし、野球場はあるし、公園もある!! すごいねー でもなんかアタシは落ち着かないかもw

オバー:アンタもオバーになったんだよw

ケイ:確かに…実は風の便り届いてたんだ、ワタシにも孫ができみたい。

オバー:そうなの⁉ おめでとう!!

ケイ:そういう反応だよね…普通





オバー:嬉しくないのかい⁉

ケイ:嬉しいんだけど、なんかまた息子が遠くへ行ってしまうような気がしてね…

オバー:アンタは息子が生きがいだったからね

ケイ:旦那がはやく亡くなって優しいあの子には苦労ばかりかけたから、幸せになってくれるのは嬉しいんだけどさ。でもどっかさみしくてね…

オバー:そういや嫁を紹介された時もアンタ落ちこんでたね

ケイ:落ち込むどころか、嫁だけじゃなく息子にも当たり散らしたよ。おかけですっかり息子たちはアタシのところに来なくなっっちゃった…

オバー:おめでとう、って会いに行けばいいじゃないか

ケイ:怖いんだよ…あんなに息子夫婦に嫌な思いをさせたんだ。会ってくれなかったらと思うだけでつらいの…





オバー:時はもどせない。か…

ケイ:後悔役立たずってホントよくいったもんだと思うよ…

オバー:ケイはさっきここを見て落ち着かないっていってたじゃない?

ケイ:落ち着かないよー だって昔の面影まったく残ってないじゃない。あの頃のままでも十分キレイな海だったもの。

オバー:今はキレイじゃないように見える⁉

ケイ:キレイだと思うよ、でもそれ以外は全部変っちまった

オバー:でもさ、今でも海がキレイだからみんなここに集まるの。それは昔から変わらないのよ

ケイ:…あの子、ワタシを「赦し」てくれると思う?





オバー:優しい子なんだろ?

ケイ:ワタシ、あの子を傷つけたんだよ。さんざん嫌がらせししたんだ。最後にあった日、あの憎しみにと悲しみが溢れた目、今でも忘れることなんてできないんだよ…

オバー:アンタはまだ自分を「赦す」ことできないんだね…

ケイ:ずっと同じところでグルグルしててさ、バカだよねー

オバー:確かにバカだね。ホントはそこが好きなんじゃない⁉

ケイ:そんなことあるわけないじゃない!! あの日のことを思い出すだけで今でも眠れなくなるのに…

オバー:よく聞いて、過ぎた時間は巻き戻すことはできないけど、これからやってくる時間は自由に使えるの。今までと違う時間の使い方をするだけで、新しい明日が必ずやってくるのよ

ケイ:新しい…明日…





オバー:そのために今までの自分を「赦す」ことからはじめるの。ケイにしかできないのよ。

ケイ:あの子が「赦す」といわないのに、自分を「赦す」ことになんの価値があるの?

オバー:価値なんてないわよ「赦し」はいろんなことを受け入れて、いろんなことが等しく存在してていいってことなんだから。

ケイ:等しく存在してていい…なんかこの海みたいだね

オバー:だから私たち生き物は海に惹かれるのかもね

ケイ:母なる海か…出産祝い、なにがいいと思う⁉

オバー:そうね、生きのいいトビウオとかいいんじゃない⁉

ケイ:あれ捕まえるの大変なんだけどw

オバー:アタシが手伝ってあげるよ☆

ケイ:やめてよ、無理させてアンタが死んだらもっと眠れなくなるものw

オバー:そういう失礼なところワタシは好きだからねw

ケイ:ありがと



END