奥間ビーチ


ケイが親からもらったもの


ケイ:オバーさん、もしかしてキジムオバーさんですか?

オバー:そうだけど、どちらさま?

ケイ:初めまして、ワタシはケイといいまして、ナリさんの紹介でやってきました。

オバー:ナリの知り合いか、元気にしてる?

ケイ:なんか以前はオドオドしてたけど、最近は吹っ切れてる感じですねw

オバー:そうか、頑張ってるんだね☆ ところでケイさんはなんでアタシのとこにきたんだい?

ケイ:先月タマゴを産んで、最近ヒナがかえったんです。

オバー:おぉー、母になったんだね☆ おめでたいことじゃないか♪

ケイ:そうですよね… 喜ばないといけないですよね…

オバー:素直に喜べないのかい!?

ケイ:はい…

オバー:それじゃ「奥間ビーチ」にでもいきながら、話を聞くとしますか。

ケイ:よろしくお願いします。



【奥間ビーチレビュー】

ケイを連れてやってきた「奥間ビーチ」は沖縄県北部の国頭村にあるリゾートホテルが管理運営する有料ビーチです。

約1キロにもわたる長い砂浜と透明度の高い海が特徴で、ビーチの一部は米軍の保養地としても利用されていたりします。そのくらい癒しの効果が高いビーチといっていいかもしれませんね。

近隣には国頭村の物産を取り扱う道の駅や、パワースポットとしても有名な比地大滝もあるので、やんばるを訪れる際にはぜひ遊びに行ってみてね♪



ケイ:わたし母性本能がないみたいなんです。

オバー:子供たちがかわいくないの?

ケイ:かわいいとは思うんですが、一緒にいるとイライラしてくるんですよ

オバー:まぁ、ピーピーうるさいしねw

ケイ:最近は動き回るので目を離せないし…

オバー:巣から落ちそうでヒヤヒヤするからねw

ケイ:ですよね!! 毎日そんな感じだから疲れちゃって…

オバー:まぁ、よくあるマテニティーブルーなんじやない!?

ケイ:このまま血も涙もない親になってしまうんじゃないかって不安なんです…





オバー:旦那は子育て協力してくれないのかい?

ケイ:協力してくれてますよ。むしろワタシよりも熱心に子供たちのこと見てくれてます。

オバー:いい旦那じゃないか

ケイ:そうなんですけど、そういう姿を見てると、なんかワタシが母親失格って感じてしまうんです。

オバー:またずいぶん悲観的だね

ケイ:わたし、親にかわいがられた記憶がないんです。

オバー:どうしてそう思うんだい!?

ケイ:生きるための知恵以外はなにもくれなかったからだと思います。

オバー:なるほどね…





ケイ:親がいなくなったら自分一人で生きなきゃっていつも必死だったんです。

オバー:頑張ってきたんだね、旦那さんの優しさがうれしかったでしょ!?

ケイ:はい、生まれて初めて大切にされてるって感じることができました。

オバー:その旦那さんの愛情が子供たちに注がれてる…

ケイ:自分が子供の頃もらえなかった親からの愛情を、あの子たちはいとも簡単に手に入れてるって思うと、母親なんかになるんじゃなかって毎日つらいです…

オバー:そっか、でもねケイはちゃんと親からの愛情をもらっていたんだよ

ケイ:…どういうことですか?

オバー:生き物にとって大事なことってなんだと思う?

ケイ:…なんか難しい話わからないです

オバー:簡単よ、生きること。生き抜く力っていってもいいわね。





ケイ:生き抜く力…

オバー:あなたの親はその大切さをしっかり伝えたんでしょ?

ケイ:確かに優しくはなかったけど、飛び方とか餌の取り方とか厳しく教えられてました。

オバー:その厳しさが役に立たなかったことがあった?

ケイ:いいえ、むしろ常に助けてくれたと思います

オバー:それがあなたの親からもらった愛情なの。親がこの世からいなくなっても、あなたが生き続ける限り、ずっとあなたを守り続けてくれる宝物なのよ。

ケイ:…思い出しました。父がいつもいってたこと

オバー:なんていってたんだい?

ケイ:今日もおまえと生きてることが嬉しいって…わたし大切にされてたんですね…

オバー:思いっきりね





ケイ:でもわたし、子供たちのこと好きになれるんでしょうか? やっぱり不安です

オバー:まだまだ大変な時期だとは思うけど大丈夫よw

ケイ:オバーさんはなんでいいきれるんですか?

オバー:そりゃオバーだからよw

ケイ:そういうもんなんですか?

オバー:そういうもんだと「赦し」ていくのよ。昔も、今も、これからの自分もね。

ケイ:「赦す」か… もしかしたら親もこんな風に悩んでたのかもしれませんね。

オバー:もう親を「赦し」てるじゃない。だから大丈夫よ

ケイ:今日はありがとうございました。

オバー:今度来るときは家族でだね

ケイ:もちろんです☆

オバー:子供たちによろしくね~



END