サシの便り
サシ:キジムオバー元気してる⁉
オバー:おぉー 魚とり名手のサシじゃないか!! アンタも相変わらずだね
サシ:おかげさまでw はい、お土産でトビウオ取ってきたよ
オバー:さすが年季の入った渡り鳥は気遣いが違うね☆ なんか風の噂では若いの嫁もらったそうじゃないかw
サシ:オバーの地獄耳は相変わらずだなw
オバー:風が勝手に便りを運んでくれるんだよw
サシ:…それじゃ、他の便りも届いているんだろ?
オバー:風の便りはあてにならないからさ…でもアンタがきたってことは
サシ:まー 積もる話は飛びながらしようや
オバー:そうだね、それじゃ「ニライカナイ橋」までいこうか
サシ:アイヨ!!
【ニライカナイ橋レビュー】

オバーがサシを連れてきた「ニライカナイ橋」。名前の由来「ニライカナイ」は、沖縄に古くからある信仰上の「神様が住む場所」のこと。確かにこの橋から海を眺めると吸い込まれそうな錯覚を覚えるかもしれません。
尚、レンタカー等を利用して訪れる際には、カーナビを利用してゆくことをおススメします。特に海岸線沿いからゆく場合、橋への入口がわかりにくく地元民でも何度か通り過ぎてしまうこともしばしば。
さすが「神様が住む場所」への入口にかかる橋。見つけにくいのも当然かもしれませんね♪
サシ:この橋、相変わらずくねってるなw
オバー:まぁそれがウリみたいなもんだからねw
サシ:でもここから眺める海はサイコーだ
オバー:魚もいっぱい取れるし、静がでホントいいところ。
サシ:キジムオバーさ、俺最近思うんだよ。
オバー:なにをだい?
サシ:鳥はなぜ飛びながら死ねないのかってね
オバー:たしかにそうだね
サシ:渡り鳥として生まれたから、俺は一生この空を飛べるんだと思ってたんだ・・・

オバー:…だいぶ身体悪いのかい?
サシ:あちこちガタがきててね、風に身をませて漂うのもけっこうキツイなw
オバー:無理しなくていいのに
サシ:そう思ったんだけど、じっとしてるとよけいなことばかり考えてしまってね。
オバー:嫁のことかい
サシ:アイツはまだ若いし、俺みたいな年寄りを選んでくれたのは嬉しいんだけど、こうして身体にガタがくるとさ、お荷物になって迷惑けるような気がしてね。
オバー:そうだよね
サシ:俺は自由に生きてきて悔いはないんだけど、アイツの自由を俺のために奪ってしまうのがつらくてね。
オバー:…
サシ:いっそのこと、俺が消えたらアイツが幸せになるんじゃないかって考えてしまうんだ。

オバー:…なんでこう、神様はサシみたいな優しいヤツにこんなつらい想いをさせるんだろうね。わたしはいつもそれが悔しいよ。
サシ:俺さ、昔オバーに「赦す」ことの大切さを教えてもらってさ。周りだけでなく自分を赦すこともできて、良かったって思ってたんだ。多分、嫁も優しいやつだからこんな俺でも赦して受け入れてくれるとは思う。
オバー:でも「赦し」には時として、つらさもついてくる…
サシ:やっぱりオバー知ってたんだ。今になって気が付いたよ「赦す」って難しいな。
オバー:難しいよ、おそらく生きてる間に本当の「赦し」ができるのは難しいと思ってる。
サシ:だよなー やっぱりオバーでも難しいかw
オバー:オバーには難しい。でもこの島の海にはそんなことを吹き飛ばす力がある。
サシ:この島の海に?

オバー:この橋の向こうの海に見える島はね、神様の住む国への入口なの。
サシ:神の国の入口
オバー:この島の人達はもともと自然の中に神様が宿っていると信じてるの。自然がわたしたちが生きていくことを赦してくれているって、本能的に知っているのよ。
サシ:生きることを赦されている…
オバー:オバーはね、そもそもわたしたちみんな毎日死んでいるのだと思うの。
サシ:寝てるんじゃない…のか
オバー:翌朝目覚めるなんて保証もないしね。

サシ:そう考えると毎日奇跡の連続だなw
オバー:そう、わたしたち生き物は奇跡の連続で生きること赦されているのよ。
サシ:嫁にだけ赦されているとばかり思ってたけど、もっと大きなものに赦されていたんだな。
オバー:この世界に生まれてからずっとね☆
サシ:オバーありがとう。話聞いてくれて。気持ちの整理がついたよ。
オバー:ならよかった、くれぐれも身体を大事にするんだよ
サシ:わかってるよ☆
オバー:嫁も大切にするんだよ
サシ:俺よりも大切にするよw それじゃまたな!!
オバー:またね
END