むら咲むら裏の小さな海岸


プライド・レオ


レオ:オバー!! キジムオバーはいるかー?

オバー:なんか偉そうなのがきたね

レオ:はじめまして、レオっていいます!! 友達のアオの紹介でやってきました!!

オバー:アオの友達⁉ ホント⁉

レオ:ホントですよー 小さなころから友達です

オバー:ふーん、それでアンタは何しにきたのかな?

レオ:アオが最近結婚したんですよ、可愛いパートナー見つけて

オバー:ほー あいつもやるね♪

レオ:それでパートナーがなぜできたんだって聞いたら、キジムオバーを紹介してくれたんです

オバー:わたしは結婚相談じゃないんだかねぇ

レオ:そこをなんとか!!

オバー:じゃアンタは「むら咲むら」裏の砂浜にでも案内してあげるから、飛びながら話をきかせてね。

レオ:おやすいごようです!!

オバー:無駄に元気だね…



【むら咲むら裏の小さな海岸レビュー】

オバーとレオがやってきた「むら咲むら」裏の海岸は、地元でも特に名前もついていない海岸です。

昔ながらの防風林に囲まれた小さな砂浜に辿りつくには、防風林が薄くなった部分にある薄く細いけもの道を進んいく必要があります。もちろんハブに注意しながらねw

県外から来た人たちにはちょっと大変だとおもうけど、足の裏で割れる落ち葉や折れた小枝の丸みを感じる感覚は、忘れていたものを思い出す手助けくれる。子供のころ身近な場所すべてが遊び場で、毎日が冒険の日々だったなってね。

ちなみに「むら咲むら」とはNHKの大河ドラマを撮影したオープンセットをそのまま観光施設となっていて、夕暮れ時にスタートする「ランタン祭り」などが有名。ちょっとしたインスタ映えスポットとしても人気です。



レオ:俺、アオがパートナーできてから調子が悪いんです

オバー:調子が悪いって?

レオ:今まで俺の方がメス鳥友達も多かったし、毎日遊びの誘いも多かったに、アオが先に結婚しちゃって、なんかイライラしてるんです。

オバー:なんだヤキモチかw

レオ:そんなんじゃないですよ!! だってあいつのパートナーよりカワイイパートナーともたくさん付き合ったし、向こうからいい寄ってきたことだってあるし、俺が本気出せば落とせない相手はいなかったんですから!!

オバー:だったらイライラする理由ないじゃないw アンタの方が魅力的なんでしょ?

レオ:そうなんです!! でも結婚に関して俺がアオに遅れをとってしまった… なんかこうイライラするんです。

オバー:レオ、もしかして気にってたメス鳥いたらグイグイ押すタイプ?

レオ:そうですけど?

オバー:…なるほどアオの悩みのタネかw

レオ:なんのタネですって?





オバー:なんでもないなんでもない、ところでレオが自分のコト自慢できるところってなんなの?

レオ:自慢できることっすか⁉ アオよりイケメンで、アオより身体が大きくて、アオより良い声で、アオより…

オバー:ストーップ!! なんでアオが出てくるの? オバーはレオの自慢できるところ聞いてるのよ?

レオ:だってアオは小さなころからの友達でずっと一緒だったから…

オバー:…しかたない、イライラの原因教えてあげる。

レオ:マジですか⁉ 教えてください!!

オバー:レオには自分がないのよ。いっけん自信たっぷりに見えるけど、とっても薄っぺらなプライドで自分が作られてるってことに気が付いたといってもいいわね。





レオ:なんだとこのババー!! 言いたい放題いいやがって!!

オバー:あら怖い、それじゃオバーは帰るわね☆

レオ:ご、ごめんなさい、つい頭にきちゃって申し訳ない。

オバー:…レオ、いま自分がなぜ怒ってしまったかわかる?

レオ:多分、うすうす思ってたことを指摘されたからだと思います

オバー:それじゃオバーがいったこと説明できるかな?

レオ:俺、アオのこと友達っていいながら、自分が気持ちよくなるための存在に利用してたんだ思います。

オバー:なぜそう思ったの?

レオ:俺、すごくプライドが高くて、誰からも尊敬されたくて、その気持ちを満足させるために、いつも強気になれないアオを利用して、自分が注目されるようにしてたのかなって…





オバー:レオは偉いね☆

レオ:そんなことないです、自分の優越感を満足させるために友達を利用してたんですから…

オバー:それを認められることがすごいのよw レオ、ここの砂浜小さいでしょ⁉

レオ:えっ⁉ 確かに隣の砂浜はもっと広いですね…

オバー:結婚式上げてる人達も見えるしねw でも地元の人はけっこうこの小さな砂浜の方が好きだったりするみたいなの

レオ:なんか広い方がゆったりしてていいような気がしますけど…

オバー:理由はレオと同じ☆

レオ:俺と同じ⁉





オバー:人間って面白い生き物で、こんなに世界のあちらこちらで繁殖してるわりには、小さな世界で満足したがるの。理解できる範囲で行動するのが基本的には楽だって知ってるから。

レオ:確かに、俺もアオのこと小さな頃から知ってるから、ずっと変わらない存在なんだと信じたかったのかもしれない。

オバー:レオはやっぱりアオの友達ね、素直なところはよく似てるw だからもう一つだけイライラしてる理由教えてあげるわね。

レオ:教えてください!!

オバー:ホントは大好きな友達の幸せを思いっきり祝福したいのよ!!

レオ:すんません、ありがとうございます…

オバー:次に来るときはレオの良い知らせをもっておいでね☆

レオ:はい!! アオに負けないくらい良いパートナー連れてきます!!

オバー:おいおい…ホントにわかったのか?



END